日程: | 2014年10月18日(土)~19日(日) |
メンバー: | 藤野(L)、國井(SL)、深澤淳、松山 |
報告: | 松山 |
紅葉の中を行きます |
前ぐらです | |
前ぐらの下部は、ハシゴがあります |
前ぐら。トラバースがあります | |
前ぐらのピーク付近より山頂方面。まだまだ先です。 |
前嵓をクリアすると、眼前に大きく現れるのは荒沢くんの筋肉質の胸板。2,000mに届かぬ山ながら、雪が刻んだ支尾根の筋は前穂ばりの造形美を誇る。山頂までの1時間半ほどの間には、時々露出した岩場が現れたりと変化にも富み飽きさせない。稜線を登りつめ右に折れると、一気に荒沢くんから南の展望が開け、平ケ岳、尾瀬の山、日光白根などが顔をみせる。さらにやや緊張するトラバースを経て山頂に辿り着けば乱杭歯のような八海山、越後駒から中ノ岳への長く続く稜線、北面の名も知らぬ峰々、奥只見湖...も見渡せ、景色の雄大さはさらにスケールを増す。さほど広くはない”秘峰”のピーク(1,968m)は大勢の老若男女で賑わっている。私だけの彼でなかった事は無論のこと、実は以前から岳人のアイドルだったのだと自分を納得させることにした。みな夫々で様々なポーズの写真をとって山頂を後にする。下山路では光の状態の変化とともに、細身の荒沢くんの姿に立体感が出てくるのに見とれる。前嵓の岩場の下りを慎重にクリアすれば、後は再び色づく秋をたっぷり楽しみながらの下山となるが、この頃には、標高差1,200m、標準コースタイム9.5時間の長丁場の疲れが出てきてかなりバテ気味となる。失恋の痛手もこれに追い討ちをかける。軽快に歩まれる藤野さん、駆け下りる勢いの國井さんに遅れをとりつつ、名残を惜しみつつ深澤さんと何回もシャッターを切った。登山口の水場で荒沢くんの恵みで喉を潤したあとは、テントを撤収し近くの白銀の湯で汗を流す。温泉から見えたのは、紅葉を前景に従えた、やはりカッコいい荒沢くん。サヨナラ、とつぶやいて帰路についた。 |
山頂手前の岩場。これを越えると間もなく山頂。 |
荒沢岳山頂です。賑わっていました。 |
荒沢岳は、文字通り見てよし、登ってよしの名山だった。ヒマラヤ襞を思わせる鋭い尾根が雪化粧する姿に出会ってみたい。しかし、積雪期には雪に閉ざされる奥只見、その姿は想像するしかないのかもしれず、その時こそ「わたしだけの荒沢くん」と出会える時ではないかと思っている。 |
<コースタイム> | |
5:50 登山口発 6:40 前山 7:45 前嵓基部 8:45 前嵓 10:10 荒沢岳山頂着 10:50 下山開始 14:50 登山口着 |