【T】傷の手当
★出血のコントロール
けがをして出血してしまったときは速やかに止血をしなくてはなりません。
体内の血液量は体重のほぼ8%でそのうちの約1/3を失うと危険、1/2を失えば致命的です。
→ | 体重70Kg×1/13=約5.4リットル(血液量) その1/3は約1.8リットル 1/2は約2.7リットル |
・目に見える場所だけでなく衣服の下の裂傷などによる大出血がないかを観察すること。
・大腿骨骨折は大量の内出血を伴い命に危険が生じるので疑われるときは至急搬送する。
・出血によるショック状態(皮膚の蒼白、頻脈、冷汗)などに注意(保温する)。
止血は・・ | 直接圧迫法。現在は止血点による間接圧迫法よりも直接圧迫で十分止血しうるとされる。間接圧迫法による止血点は見極めがむつかしい。傷口を十分に覆える滅菌ガーゼで出血部を圧迫する。イメージは水道のホースをつぶしている要領。一般的にはこのように圧迫すれば約6〜10分で止血できるとされる。その際には心臓より高い位置で挙上すると効果が高い。また止血棒を使用した止血は現在の救急法では行わない。(コントロールが非常にむつかしく時間を誤ると止血された末端が壊死する可能性があるため)出血が多い場合は滅菌ガーゼを重ねてゆき、はじめのガーゼははがさない。またティッシュペーパーのようなものを傷口にあてない。(繊維が傷口に残ってしまうため) |
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★傷の処置
・傷口は滅菌された流水で汚れをとりのぞく。ペットボトルのキャップにあらかじめ穴をあけておき
消毒用のペットボトルにつけかえて使用すると便利。周囲を消毒薬で消毒する。
また開放 性の骨折を伴う場合は水での洗浄は控える。
(細菌が骨内に浸透し、感染症の原因になる。)
ま た傷の程度によっては医療機関へ行き抗生物質の投与が必要となる。
・洗浄を終えた傷は適当な大きさと厚みのある保護ガーゼをあてます。
・その後は包帯をして傷を保護する。適当な包帯をほどこすことにより止血効果がでる。
(三角巾、ネット包帯などを利用する。三角巾は傷の大きさに応じて使用できて便利)
三角巾の例
【U】骨・関節・筋肉のけが
★捻挫や骨折が疑われる場合は次のように評価をする
・変形がないか、可動範囲が変わっていないかなど、正常な側との比較をするとよい。
また開放 性の傷がないか、痛みの程度はどうか、腫れの程度はどうかを評価する。
・RICE処置・・Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)が基本。
・骨折か捻挫かなどを特定するのは医療機関でないとわからないことが多いが現場で行う最初の処 置は同じ。
(悪化するまえにRICEを行う)
・骨折が疑われる場合は固定をする。骨折の動揺を防ぐように固定することで骨折の痛みをやわら げる。
出血を防ぐ。骨折部の動揺で新たな傷がつくことを防ぐ。
・緊急度の高い骨折(頭蓋骨、脊椎、骨盤、大腿骨)は至急に医療機関へ搬送する。
★副子の役割と当て方
・受傷部の上下の関節を含めることができる長さ、強さ、幅があり、軽いものを副子とする。
・傷病者の一番楽な姿勢で固定する。
・固定後は末梢の循環が確保されていりうか確認。
・副子がない場合は包帯や手ぬぐいなどで傷病者自身の身体に直接固定する方法もある。
・かかとや手首などと副子との隙間には動揺を防ぐためにタオルやハンカチなど柔らかい布などを十分に入れて
動かないようにする。
副子固定の例